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オーストラリアの組合がウーバーと憲章を締結

30 Jun 2022

 ウーバーおよびウーバーイーツはオーストラリア交通運輸労連(TWU)とウーバーの労働者の最低基準と恩恵を定める憲章(Charter)を締結した。

 ITFはこの憲章がオーストラリアのギグワーカーの権利保護において画期的であると同時に、他国の労働組合が他のプラットフォーム事業者と協力する際のモデルになり得るとして歓迎している。

 ITFスティーブン・コットン書記長は次の通りコメントした。 「ギグエコノミーの労働者はフレキシビリティ(柔軟性)と引き換えに基本的権利を諦めていることが多い。しかし、それは間違っている。TWUは労働者を組織することで、ディーセントな賃金・労働条件を交渉できることを示した。TWUが道を切り開いたことを祝福する。これがギグワーカーの利益代表のためのほんの始まりに過ぎないことを切に願う」

 ウーバーのライドシェア部門およびフードデリバリー部門とITF加盟TWUは、この憲章の中核として、オーストラリア政府が業界全体の基準設定のために独立組織を設置するのを支援することで合意した。合意の内容は次の通り。

  • プラットフォーム労働者のための透明性の確保された最低収入・恩恵
  • プラットフォーム労働者のアカウント停止などの紛争を解決するための効率的なメカニズム
  • 労働者が組合に加入し、集団で声を上げる権利
  • 雇用主に基準を守らせるための法執行

 この合意が特に効果的なのは、トラック運賃を規制する「セーフレート」制に関する組合の経験を活かし、独立的な裁定機関のモデルを取り入れている点だ。重要なのは、合意された基準を実際に履行させることである。このアプローチは、法執行に相当の重きを置くとともに、運用方法について将来の変更が可能となるよう十分な柔軟性を確保している。

協議継続

 また、プラットフォーム労働の質、安全性、安定性の向上に向けて、ライドシェアとデリバリーの両方の業界標準について協議を継続するコミットメントも盛り込まれている。

 この憲章は、2月にウーバーとITFが締結した、労働条件の対話に関するグローバルレベルの覚書に続くものである。ITFのスティーブ・コットン書記長は次のように述べた。

 「(グローバルレベルの)覚書とオーストラリアの憲章は、この比較的新しいビジネスモデルが労働者を危険にさらすという認識の上に成り立っている。規制当局は規制の欠陥に気付き始めている。労働条件を改善し、誤分類をなくし、結社の自由と団体交渉権を確保する方法を検討している」

 「我々はウーバーと協力することで、労働条件、安全衛生、社会的保護、紛争解決などの重要問題で共通認識に達することは可能であることを示した」

 TWUマイケル・ケイン委員長は次のように語った。「本日(28日)我々が合意した原則は、時代遅れの労使関係法を近代化するためにギグワーカーが長年取り組んできた運動の大きな成果だ。あまりにも長い間、フレキシビリティと職場の権利・保護の関係はゼロサム・ゲームと見なされてきた。TWUとウーバーはこの議論を収束させる規制強化の解決策を支持する」

 ウーバーのドム・テイラー・ゼネラルマネージャーは、プラットフォーム事業者の公平な競争の場の確保のために、法律による基準実施に期待するとし、次のように述べた。

 「ウーバーとTWUは明らかな同盟関係にあるようには見えないかもしれないが、我々は常に、運転手と配達員のことを最優先に考えなければならないことを確認してきた。そしてこのたび、労働者保護を強化するために、この重要な合意に至った。ギグワーカーは我々の経済に大きく貢献している。この合意は、ウーバーのプラットフォームを利用する10万人を超える運転手・配達員のみならず、業界全体のために、プラットフォーム労働の基準引き上げを目指すものだ」