Skip to main content

SG-STAR基金:船員交代のための各国の取り組みを支援する初の官労使グローバル・イニシアチブ

ニュース 記者発表資料 23 Sep 2020

ITF、国際海事使用者委員会(IMEC)、国際海運会議所(ICS)、シンガポール海事港湾庁(MPA)、シンガポール海運協会(SSA)、シンガポール商船職員組合(SMOU)、シンガポール船員組合(SOS)の合同プレスリリース

 ITFIMECは、船員交代の最良慣行を導入する国を支援するための「シンガポール海運官労使アライアンス・レジリエンス(SG-STAR)基金」に50万米ドルを寄付した。この基金は、シンガポール海事港湾庁(MPA)、シンガポール海運協会(SSA)、シンガポール商船職員組合(SMOU)、シンガポール船員組合(SOS)が100万シンガポールドルを拠出し、設置したものだ。現在、基金総額は168万シンガポールドル(約120万米ドル)に達した。

 ITFIMECのほかに、国際海運会議所(ICS)も専門技術の提供を含めて、SG-STAR基金を支援する。SG-STAR基金は、安全な船員交代の促進を目指す海運業界、労働組合、政府の意思を結集させた初の官労使のグローバル・イニシャチブだ。シンガポールを拠点とし、船員供給国のために使用される。

 ITFスティーブ・コットン書記長は、SG-STAR基金について、世界の140万人の船員のために船員交代の危機を緩和させる可能性を秘めていると指摘し、次のように語った。

 「この半年間、数十万人の船員が船内に閉じ込められたり、仕事ができずに自宅待機を余儀なくされたりしてきた。世界の船員のために、この人道危機を直ちに終わらせ、彼らを安全に乗下船させるための具体的な解決策が求められている。この官労使イニシャチブは、現在の行き詰まりを打開するための鍵となるだろう」

 「特に、乗船前や船内での検疫措置期間の短縮を目的とする、認証医療機関からのPCR検査陰性証明書の当局および雇用主への提示を改善させる必要がある」

 IMECのベラル・アーメド会長は次のように語った。「コロナ禍に因る船員交代の問題は、海事関係者の連携をかつてないほどに強化した。IMECは、問題の解決や指針の策定を目指すシンガポールおよび世界レベルの議論に参加、貢献してきた。このたび、SG-STAR基金に参加し、問題解決に貢献できることを嬉しく思う。この確固たるパートナーシップが長期的に実施される具体的解決策につながることを確信している」

 ICSのガイ・プラッテン事務局長は、「コロナ禍で多くの船員が不当に足止めされている。このイニシアチブは、問題解決のために正に必要とされているプロジェクトだ」

 ILOのガイ・ライダー事務局長は次のように語った。「ILOは、ITFIMECICSSG-STAR基金への協力を歓迎する。SG-STAR基金は、必要とされるリソースを提供するだけでなく、官労使および国際的な取り組みを確保するものである。これこそ、この世界的問題への対応に求められているものである」

 IMOのキタック・リム事務局長は、「この緊急の問題に対する具体的措置を講じるために、政府、業界、組合の総力を結集させたグローバルなイニシャチブだ。称賛に値する」と述べた。

 2020828日にMPASSASMOUSOSの間で基金趣意書への署名が行われた後、問題解決に向けて利害関係者との調整を行うタスクフォースが設置された。タスクフォースはSSAの理事兼サービス委員会議長を務めるニチン・マシュールが率い、MPA、SMOU、SOSが初期メンバーを務める。まずは、フィリピンやインド等の船員供給国と協力しながら、検疫・隔離施設の適格性認定、PCR検査認証、PCR検査実施機関の「ホワイトリスト」作成、船員交代を追跡するためのデジタル・ソリューションの提供、船員が交代の手続きやガイドラインを理解するための双方向型研修制度の実施等を目指す。

 SG-STAR基金ガバナンス委員会の議長はSSAのキャロライン・ヤン会長が務める。ガバナンス委員会は、MPAのクア・レイ・フン最高経営責任者、SMOUのメアリー・リュー書記長、SOSのカム・スン・フアット委員長、ITFスティーブ・コットン書記長、IMECのベラル・アーメド会長で構成される。SSA名誉会員でイーグル・アイ・センター最高経営責任者のラム・ピン・ミン氏が同委員会の上級顧問に任命された。

 SSAのキャロライン・ヤン会長は次のように語った。「シンガポールの官労使で開始したSG-STAR基金は、船員が母国を出発してから乗船するまでの安全でスケーラブルな(規模の増大に適応可能な)道筋や、出発地や乗船地での船員の停留施設を確保するための労働供給国の取り組みを支援することが目的だ。ITFIMECが我々のイニシアチブに参加し、寄付金の協力をしてくれたことを嬉しく思う。ICSも専門技術を提供してくれることになっている。安全な船員交代の一層の促進に向けて、志を同じくする、より多くの国際組織が加わってくれるのを心待ちにしている

 

 

現場の声

ニュース 記者発表資料 15 Feb 2024

ILAの職域闘争勝利を祝う

 北米東岸港湾の労働組合である国際港湾労働者協会( ILA )が、ニューロンドン(米コネティカット州)のオーステッド社洋上風力発電事業をめぐる職域闘争で勝利したことを歓迎する。  ITF のパディ・クラムリン会長は次のように語った。 「これは ILA 、 ILA 第 1411 支部、そして ILA 組合員全員にとっての記念すべき勝利だ」「揺るぎない連帯と戦略的行動に支えられた 8 カ月間の闘争は
ニュース 14 Feb 2024

インドネシアで違法解雇された空港労働者が勝利

Gebuk 労組は、航空ケータリング会社アエロフード・ケータリング・サービス・インドネシアにコロナ禍で違法解雇された労働者に補償金を支払うことを約束させ、組合員のために大きな勝利を確保した。 ITF 加盟のインドネシア空港労連( FSPBI )に加盟 する Gebuk 労組は、ジャカルタ空港で働く航空ケータリング業務委託企業の労働者組合だ。 同労組は 2 月 6 日に大規模デモを行ない
ニュース 13 Feb 2024

ITF会長の2024年に向けたメッセージ

ITF に加盟する交通運輸労組の皆様 2024 年:ますます機能不全に陥りつつある世界で、私たちが直面する課題は解決しないまま、また新たな年が明けました。私たちは、使用者に職場で説明責任を果たさせること、安全を構築すること、環境の持続可能性を構築すること、付加価値を高め、価値を奪うことのないサプライチェーンを構築すること、労働者から賃金を奪ったり