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クルーズ船乗組員、さらに2名の命が犠牲に

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 捜査結果はまだ出ていないが、このウクライナ人女性乗組員はロッテルダム港で本国送還を待つ間に自ら命を絶ったらしい。マリナーオブザシーズ号の男性乗組員の死については、現在、詳しい情報を求めているところだ。

 リーガルプリンセス号は、乗組員の本国送還手続きの最終段階として、56日にロッテルダム港に到着した。亡くなった女性を含む本船乗組員は58日にチャーター便で帰国する予定だったが、このフライトが運航停止となった。次のフライトが512日にあることが乗組員に伝えられたが、悲しいことに、この女性乗組員は本船から飛び降り、命を絶った。

 相次ぐ国際線の減便・運航停止、各国で導入されている渡航規制や入港クルーズ船の乗組員に対する行動制限の強化により、乗組員の本国送還は困難を極め、何千人ものクルーズ船乗組員が船内に留まることを余儀なくされている。

  ITF船員部会のデイブ・ハインデル議長は次のようにコメントした。「平常時でさえ、船員の社会的孤立のストレスは非常に大きい。コロナ禍でこのストレスや不安が一層増大し、船員の精神的健康に影響が及んでいる」

  「クルーズ船乗組員が他の労働者や一般市民と比べて感染リスクが高いという科学的根拠は存在しないにもかかわらず、彼らは各国政府が感染拡大防止のために導入する厳しい制限措置の犠牲になっている」

  現在、約15万人の船員が乗下船を待っている状況だ。入国制限措置のために船内に閉じ込められている船員は数万人に上る。

  船員組合は、各国政府がクルーズ船の乗客を数週間以内に下船させたのと同じように、乗組員に対しても迅速な対応を行うよう求めている。
  
「乗組員を乗客と同じように人道的に扱わなければならない時が来た。ITFはつい先週、協力関係を持つ使用者団体と共に、これを怠れば、船員の健康、海運の安全、ひいては海運に依存する世界のサプライチェーンに影響が及ぶと警告したばかりだった。これ以上の犠牲者を出す前に船員を帰国させなければならない」とハインデルは続けた。

 ここ2週間で、これら2人を含めて4人の船員が自ら命を絶ったことが報告されている。 59日、カーニバル社のハンガリー人船員がカーニバル・ブリーズ号の船室で息絶えているところを仲間の乗組員に発見された。430日、ロイヤルカリビアン社の船員がジュエルオブザシー号から飛び降りて命を絶った。

  「船員の心身の健康を守るために、各国政府および旗国は、大きな負担に苦しんでいる全ての船員を帰国させる取り組みを一層強化しなければならない。船員の世界経済への貢献を当たり前と捉えるべきではない」とハインデルは訴えた。


 

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