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ITF、社会的、経済的、環境的正義をバチカンで主張

12 Mar 2019
記者発表資料

バチカン市国で開催された「交通運輸労組と製造業者サミット」において、ITFのパディー・クラムリン会長は、「グローバル化は全世界の労働者にマイナスの影響を及ぼした。今や世界の労働者の6割が非正規雇用となり、交運労働者の大部分がその中に入るからだ」と述べた。

クラムリン会長はまた、「企業の力が増したことと、労働者の権利が弱体化し、賃金が下がり、雇用が不安定化したことには直接的な関連性がある。労働組合はより効果的に活動し、現代社会に山積する課題に立ち向かえるようにならなくてはならない」と語った。

「世界は、かつてないレベルで不平等になり、成長の恩恵を平等に分配することに失敗した結果が明らかになり、労働者や労働組合の権利を含む人権が侵害されている」

「世界の僅か26人が人口の約半数を占める最貧困層の富を全て合わせた以上の財産を所有する現実は、恐ろしいほどに道徳が崩壊したことを示している。。私たちは、多国籍企業や上場会社と対峙し、地理的にも多様な地域社会の真の価値観を尊重しながら経営を進めるよう求めていく」

「直面する課題は余りにも大きい。現代の奴隷労働、人身売買、労働者の搾取、自動化、そして近代の新自由主義資本主義の最悪の結果が、地球温暖化と相まって、交通運輸だけではなくその他の産業全てに対して、回避できない悪影響をもたらすだろう。今回のサミットの目的は、これらの問題を世界が認識する基盤を築くことだ」

今週、国際運輸労連(ITF)とポンティフィカル科学アカデミー(PAS)の学長の共催により、バチカン市国で、世界各国から交通運輸労組、製造業者、技術者の代表者が集まり、第一回サミットが開催された。サミットには、ITFとその加盟組合、デロイト、トランスデブ、MSCシッピング、ヌーヴォー・トランスポート・ヴィアギアトリ、ボルボ、ゼネラル・モーターズ、セキュア・アメリカズ・フューチャー・エナジー、ダイムラー・ファイナンシャル・アンド・モビリティ・サービスなどの企業の代表者が参加した。

サミットでは、社会的、経済的、環境的公正を促進することなど、現代社会が直面する最大の課題について共通のビジョンを設定した。

「今日の世界では、企業の道徳観は環境、社会、ガバナンス面でどのような原則を持っているかを通じて示される。つまり、企業は環境保護を約束し、富の獲得と、獲得した富を道徳的に許容できる根拠とガバナンスに従い再分配する上で、バランスを確保する社会的な責任がある」とクラムリン会長は述べた。

「底辺への競争の中で、適切に行動し、ガバナンスを遵守する企業が、生き残りをかけて悪しき企業行動に従わざるを得ないプレッシャーに晒されている」

「労働組合活動家として、私たちは基準を守らない多国籍企業に抗議しなけらばならない。例えば、BHPの悪辣なビジネス慣行により、2015年にブラジルでフンダオダムが決壊し、14人の労働者が死亡する事故が起きた。一方、BHPは税金逃れに躍起で、何ら予告なしに80人の船員を解雇し、彼らの労働権を侵害するなど、社会的責任を負うことを拒否している」

クラムリン会長は、影響力のある労働者資本委員会(労働者資本の責任ある投資に関する対話と行動のための国際労働組合ネットワーク)の議長でもあるため、次のように語った。「国際年金基金などの機関投資家に責任を追及されることを避けるため、攻撃的な企業は一部の政府やマスコミなどを利用するのだ」

国際労働機関(ILO)によると、2017年には4,000万人が奴隷労働の犠牲となり、2,500万人が強制労働を受けた。同年、ITFインスペクターは、船員の未払い賃金3,800万米ドルを回収した。

「ITFのスティーブ・コットン書記長は次のように述べた。 「こうした数字はそれ自体が驚くべきものだが、常態化している。労働者は雇用保障や社会的保護なく不安定な雇用に追い込まれ、女性や青年労働者が特にその影響を受けているのが今日の世界だ。平等、ディーセントワーク、気候正義の間には直接的なつながりがある」

「サプライチェーンのトップに君臨する多国籍企業は、商品を運ぶ数百万人の労働者に対して責任を負うべきだ。そうした労働者の雇用を守り、現代の奴隷労働を終わらせ、労働組合権を保護するためには、対話と協力が必要だ」

コットン書記長はまた、「ITFは業界の指導者や宗教団体、社会的パートナーと共に、インフォーマル経済で働かされている労働者を正規経済へと速やかに移行させるべく、彼らの人権と労働組合権を保護・促進しなければならない」と述べ、

「このサミットは労働組合とグローバル企業の双方の意見を聞く機会を提供してくれた。労使が社会正義、ディーセントワーク、平等、労働組合権を促進するための共通項を見つけることは可能だ。しかし、労使が一丸となって課題に対応するためには、対話をもち、協力し、お互いを信頼し、尊重する必要がある。ITFは今後もこの部屋に集うITF、カトリック教会、企業の間の対話を大切にしていきたい。皆がそれぞれの責任を全うするスタート地点に今立つことができた」と語った。

 

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