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海事組合、港湾荷役条項の遵守を求める闘いの継続を決意

01 Sep 2020
記者発表資料

オランダのロッテルダムの裁判所で今日出された判決には失望したものの、国際運輸労連(ITF)と欧州運輸労連(ETF)ならびに両組織に加盟する労働組合は、船員による荷役を禁じる、いわゆる『港湾荷役条項』の遵守を達成するための闘いを続けていく決意を今日、新たにした。

残念ながら、裁判所は『港湾荷役条項』として知られる非船員業務条項を直ちに遵守することを船主やマンニング会社に求めることはしなかった。

ITF、ETF、および両組織の加盟労組のノーティラスNL、FNVハーベンズ、ヴェルディは、荷役条項を遵守することや、船員の負担や職業安全衛生上のリスクを増やさないこと、また港湾労働者から貴重な労働を奪わないことなどを海運界に長らく要求してきた。

本裁判の結果が出る前に、直ちに船員によるラッシングを禁じるべきだとする組合側の主張は退けられたものの、訓練を受けた経験豊富な港湾労働者が港に存在する場合には、荷役作業は港湾労働者が行うべきであり、疲労している船員にラッシングまでさせるという危険な慣行は止めさせるべきだと労働組合は確信している。

今回の判決によると、条項の非遵守の結果による中間差し止め措置を取る緊急性は確かに存在するものの、裁判長は、事実関係や法的問題をいくつか検討するため、より広範な司法的見直しが必要だろうとの見解を示した。残念なことだが、裁判官はこの問題は複雑すぎるため、簡易裁判手続きには向かないと考えたようだ。

この訴訟は労働組合が共同で起こした。2018年2月の労使合意に基づき、港湾労働者が必要とする保護をもたらす荷役条項が遂に2020年1月1日から発効した。 これを受け、上述の労働組合は2020年6月3日にマンニング会社のマーロウ・ナビゲーション・ネザーランド有限会社とマーロウ・ナビゲーション・カンパニー有限会社(それぞれオランダとキプロスで会社登録)、およびオランダの船主、エキスパート・シッピング有限会社を相手取り、暫定的差し止め命令を求める訴訟を起こしたのだ。後に、用船主の5社も、訴訟対象の企業に加えられた。

今日の判決を受け、海事関係の組合は、ITFが労働協約を締結する全ての船舶で、『非船員業務条項』が完全に実施されるよう担保すべく、同条項の遵守を求める闘いを続けていく。

関係する海事組合は、現在、この予備判決の結果を不服として上訴するか、間もなく予定されている裁判所の本裁判で問題を広範に検討すべきかを検討している。

 

この記事に関する問い合わせ先:Rory McCourt | +44 7 711 356 964 | media@itf.org.uk

注記:その他の組合の連絡先については、上述のITF問い合わせ先に連絡を。

 

記事に関するメモ

非船員業務条項とは?

船主を代表する合同交渉グループと船員を代表するITFが締結する国際団体交渉協議会(IBF)協約に盛り込まれている条項。船員を雇用する使用者は、この非船員業務条項を含め、IBF協約を全面的に遵守しなくてはならない。

この条項は、適切な労働時間と休憩時間の遵守を支援することで、船員の疲労を軽減し、また荷役という危険な業務を行うために特別に訓練された労働者が荷役を行うことを担保することで、船内で働く船員の安全を向上させることを目的としている。包括的な研究からも、特に訓練を受けたラッシャーが荷役を行うことで安全性が高まることが示されている。

非船員業務条項の完全な遵守を達成するためには、より多くの訴訟手続きが必要であると考えられる。オランダではそのための裁判が間もなく行われる。

世界中の船員と港湾労働者を組織する労働組合は、船員および港湾労働者の利益を守るために闘い続けていく。

非船員業務条項では実際に何が規定されているのか?

『船員および船舶に乗船するいかなる者も、会社との終身雇用または期間雇用を問わず、ITFに加盟する港湾組合の組合員が荷役サービスを提供している港やターミナル、あるいは船内において、荷捌き作業を実施してはならないものとする。資格を持った十分な数の港湾労働者がいない場合は、ITF加盟港湾労組または関係するITF加盟組合から事前に認められた場合に限り、また、その作業に進んで従事する個々の船員が資格を有し、適切な補償を得る場合に限り、船舶乗組員が荷捌き作業を実施することができる。本条文における荷捌き作業とは、以下の事柄を含むが、これらに限るものではない:積荷、揚荷、固縛(ラッシング)、荷解き(アンラッシング)、検査、受取り』

ITFについて:国際運輸労連(ITF)は、世界150カ国、700組合の交通運輸労働者2,000万人以上を組織する民主的な国際労働組合組織。世界の交通運輸労働者の生活向上や加盟組合のネットワークを通じた国際連帯の促進を目指して活動している。また、交通運輸産業の雇用、労働条件、安全に関する決定を行う機関において、交通運輸労働者の利益を代表している。