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シンガポール海事財団が「公正な移行タスクフォース」の最初のパートナーに

19 Apr 2022
  • 海運業界の「公正な移行タスクフォース」は、シンガポール海事財団を最初のパートナーに選定したことを発表した。
  • このタスクフォースは、運の脱炭素化に向けて、労働者、地域社会、およびすべての国に公正かつ公平なグリーン移行を実現するために召集された。
  • MSCONE、およびアングロイースタンも民間セクターのパートナーとして選定されたことがシンガポール海事週間に発表された。
     

 202247日、シンガポール  国際海運会議所(ICS)、ITF、国連グローバルコンパクトによって設置された「公正な移行タスクフォース」は、シンガポール海事財団を最初のプログラムパートナーに選定したことを発表した。

 発表はシンガポール海事週間のイベントの場で行われた。シンガポール海事財団は、「グローバル・インダストリー・ピアラーニング・グループ」への情報提供で重要な役割を果たすとともに、海事スキルに関する初プロジェクトを含むタスクフォースの諸活動に貢献することとなる。

 11月のCOP27でタスクフォースが海運産業の公正かつ公平なグリーン移行に求められるスキルに関する報告書を出すことも発表された。この報告書は、将来のグリーン燃料処理のために訓練およびスキルアップの必要がある船員の数を定量化するとともに、海運業界が取るべき明確な道筋を示している。
 

 グラスゴーで開催されたCOP26で設置されたこのタスクフォースの創設メンバーには、国際海事機関(IMO)や国際労働機関(ILO)も含まれている。政府、労働組合、海運業界が結集し、公正かつ公平なグリーン移行を追求し、労働者の権利やゼロエミッション船とゼロカーボン燃料に対する途上国のアクセスを政策の中核とすることを目指す。

 タスクフォースの他のプロジェクトパートナーとして、アングロ・イースタン、MSC、オーシャン・テクノロジー・グループ、オーシャン・ネットワーク・エクスプレス、PTC、ナレッジパートナーとして、世界銀行グループの国際金融公社(IFC)、マースクゼロカーボンシッピング研究所、ナイジェリア海運会議所、オーシャン・コンサーバンシー、カーボントラスト、世界海事大学等が選定されたことも発表された。ロイドレジスター財団もタスクフォースを支援している。

 国際海運は世界の温暖化ガス排出量の約3%を占めている。労働力の再スキル化とスキルアップは、新燃料の生産・流通のゼロエミッションバリューチェーンに移行し、それを支えるインフラを新たに構築するために不可欠である。

 

国際海運会議所(ICS)のガイ・プラッテン事務局長のコメント

 多くの労力が注がれてるグリーン移行は成功させなければならない。その中で、船員へのサポートを確実にするために、我々はタスクフォースを設置した。タスクフォースの最初の仕事は、船員がゼロエミッション船で安全に働けるようにするために、求められるスキルを定量化することだ。業界や政府と協力しながら、船員が誰一人として取り残されることのないようにし、また、全ての途上国が同一の訓練と支援に公平にアクセスできるようにしたい。
 ICSは、途上国に対する支援を確実にし、グリーン移行を共に実現するといコミットメントを果たす。

国際運輸労連(ITF)のスティーブ・コットン書記長のコメント

 シンガポール海事財団などの新たなパートナーがタスクフォースに加わり、勢いが増しているのは素晴らしいことだ。シンガポールは国際海運の重要なハブであり、海運業界の変革の一翼を担おうとしていることは明らかだ。

 海運サプライチェーンの将来に関心を持つすべての人の参画があってこそ、脱炭素化を実現できる。
 スキル開発と再訓練がカギとなる。これは船員にとって何を意味するのか?労働者は公正な移行が自分たちの仕事や健康、安全にとって実際に何を意味するのかを知りたがっている。よって、タスクフォースの調査の最優先課題は、将来の船舶および燃料にとって、どのような仕事がどれだけ必要となるかを算出することだ。ITFは今年後半に調査結果が出るのを楽しみにしている。

国連グローバル・コンパクトのサンダ・オジャンボ事務局長のコメント

 国際社会は温暖化を1.5℃に抑制するために2030年までの排出量半減に取り組んでいる。政府、労働組合、民間部門が継続的な対話に従事し、公正、平等、インクルーシブな移行を確保する必要がある。国連グローバルコンパクトは、計8,700万人以上を雇用する約14,000社が加入している。企業の集団としての影響力を行使して、公正な移行をサポートする立場にある。

 我々が最近立ち上げた「公正な移行に関するThinkLab」を参考に設置された「公正な移行タスクフォース」と、船社、船員組合、国際機関で構成される「海運業界ピアラーニンググループ」は、公正な移行の根幹となる部門別の労使対話の最良事例といえる。このような性格を持つ初のグローバルグループとして、タスクフォースが他部門の青写真となることを期待したい。

シンガポール海事財団のベン・ティー・タン事務局長のコメント

 海運国シンガポールは、持続可能な海運に向けた移行を断固たる決意で行っている。シンガポール海事財団は、海事エコシステム全体で官民を結ぶパイプとして、「公正な移行タスクフォース」の最初のプログラムパートナーとなり、このグローバルな対話に貢献できることを光栄に思っている。持続可能な海運には、新しいスキルを備えた労働力が必要だ。よって、求められるスキルや、既存の労働力の再訓練の方法を特定することが重要となる。この共同の取り組みは、国際海運の変革を支える人材のプールを準備するという緊急の課題に一丸となって取り組もうとする海運業界の意欲の表れだ。

IMOのキタック・リム事務局長のコメント

 海運産業の公正な移行は、全員が必要なスキルを身に付け、誰も取り残されることがないようにすることが含まれる。海運の国際的な性格を考慮すると、世界中のあらゆる利害関係者と関与する必要がある。
海運に従事するすべての労働者、特にその中核である船員は、この移行プロセスの一部となる必要がある。「公正な移行タスクフォース」の成果は、IMOで行われている、将来の労働力に関するプロセス、特に「船員の訓練及び資格証明並びに当直の基準に関する国際条約」(STCW条約)の包括的な見直しに関する議論にとって不可欠だ。引き続き関係者と協力しながら活動していくことを楽しみにしている。

ILOのガイ・ライダー事務局長のコメント

 「公正な移行タスクフォース」は部門別の社会的対話の最良事例だ。2015年に採択されたILOの「環境持続性のある経済社会への公正な移行のためのガイドライン」に規定されている三者構成のアプローチや、グリーンな海運を実現するための人間中心のアプローチを採用している。