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コロンビア警察は暴力と弾圧を止めよ

25 May 2021

2021年5月7日配信

 

コロンビア政府は平和的に抗議する国民の権利を尊重すべきだ

 ITFは国際社会と共に、コロンビア当局が国民の合法的な抗議を鎮圧するために暴力的な手段を用いたことについて、衝撃を露わにした。

 抗議デモは発生から10日目を迎え、ITFは労働組合、各国政府、国連、EUと共に暴力を非難するとともに、残虐な暴力でデモ隊に対応する警察部隊を撤退させるために緊急介入するようコロンビア政府に訴えた。

 ITFのスティーブ・コットン書記長は次のようにコメントした。「抗議と集会の自由、労働者の結社の自由、移動の自由は全てコロンビア憲法で保障されている。にもかかわらず、当局はこれらの国民の基本的権利を踏みにじっている。コロンビア政府がこれらの権利を保障し、警察と軍を撤退させ、事態の沈静化に向けて第一歩を踏み出すことを求める」

 コロンビア政府は、より文明的な対応を行うことで、鎮静化を試みるべきだ。また、これまでもデモ隊に無差別な暴力で対応してきた暴動鎮圧部隊(ESMAD)の解体も不可欠である。

 

不公平な税制改革が引き金に

 政府は貧困層の労働者に最も大きな負担を強いて、大企業を優遇する税制改革を提案した。これをきっかけに、2021428日に組合と市民団体がゼネストを実施、国民も税制改革の意味を理解するようになる中で、デモは激化していった。

 52日、イバン・ドゥケ大統領は税制改革を撤回し、財務相が辞任した。しかし、警察や軍による残虐な暴力への怒りや政府の社会政策全般に対する不満から、デモは依然として収束していない。

 さまざまな報道によると、これまでに3037人のデモ隊が殺害され、87人が行方不明となり、数百人が負傷あるいは恣意的に拘留された。

 ITFのパディクラムリン会長は、政府が歴史的に国内の民間武装組織を根絶することができなかったことで状況が一層悪化したと指摘し、次のように語った。

 「民間武装組織はここ2年間で数百人の組合活動家や社会活動家を殺害してきた。1985年以降に殺害された組合活動家や社会活動家は約3,000人に上る。コロンビアの働く男女に真の正義をもたらし、コロンビアを真に安全な国にするためには、民間武装組織を一掃しなければならない

 国連人権高等弁務官事務所は、デモ隊の大多数が平和的に抗議していたにもかかわらず、警官がデモ隊に発砲したという報道に「大きな衝撃を受け、」「重大な懸念を抱いている」と発表した。国連はコロンビア国民に落ち着くよう呼びかけ、国家当局に人権保護の責任を思い起させた。EUも暴力を非難するとともに、治安部隊が過剰な暴力を回避することを優先させるように求めた。

 労働組合は今後の行動を決定し、政府との交渉を要求するために、全国スト委員会を設置した。

 

危険にさらされる交通運輸労働者

 ITF加盟コロンビア交通運輸・ロジスティクス労組(SNTT)は、交通運輸労働者が混乱に巻き込まれ、深刻なリスクに直面していると報告する。かねてから国民が不満を抱いていた、効率の悪いバス高速輸送システム(BRT)がターゲットにされ、これまでにバス700台が破損、50以上の発券所が破壊された。

 バスを管理するトランスミレニオ社は、従業員を保護することを拒否し、抗議デモでバスの運行が不可能であるにもかかわらず、従業員に出勤を強制している。乗車券を販売するレカウド・ボゴタ社の従業員は特に危険を感じている。同社の従業員の8割は女性だ。

 「暴力が悪化し、警察による残虐行為が増加しているにもかかわらず、会社は駅での勤務を強制している。4~5人が小さな発券所に何時間も閉じ込められ、命の危険を感じながら、暴動が収まるのを待っていた」とある労働者は語った。

 SNTTは、ゼネストと改革を要求する平和的デモの継続を全面的に支持する労働組合連合の一員だ。一方、暴力に巻き込まれる労働者を保護したいと考えている。

 SNTTのエステバン・バルボサ委員長は次のように語った。「デュケ政権は組合と対話する必要性を理解しているが、我々はいかなる犠牲を払っても非常事態宣言を阻止する。非常事態宣言が出れば、信用を失った軍が権力を握ることになる。政府は510日に誠意をもって交渉につき、事態を沈静化させ、紛争を解決するために、より和解的なアプローチを選択する必要がある」

 ITFのエドガー・ディアス中南米地域部長は、コロンビアの労働者、特に交通運輸労働者とITF加盟組合に対する世界の交通運輸労働者の連帯を表明し、次のように語った。

 「労働者や平和的なデモ隊に対する警察、軍、民間武装組織による暴力は許されない。中南米や世界全体のITF加盟組合はコロンビアの仲間たちに連帯し、可能な限りの具体的支援を行う。暴力がなくなるまで、我々は行動する」

 

ITFは全国スト委員会の以下の中核的要求事項を支持する

  • 政府は憲法に規定されている移動の自由、抗議と集会の自由、および労働者の結社の自由を保障、尊重しなければならない。
  • デモ隊に対応する警察を非武装化し、警察の暴力の責任者を訴追する(警察に対する権限を国防省から内務省に移管することを含む)
  • 政府は右派の民間武装組織に対して効果的な対策を実施しなければならない
  • 暴動鎮圧部隊(ESMAD)を解体する
  • 政府は非常事態宣言による状況の悪化を回避し、全国スト委員会との交渉につかなければならない