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ITF鉄道部会は英国鉄道の公的所有と民主的管理を支持する

ニュース 12 Oct 2020

 26年前に導入され、失敗に終わった鉄道民営化に終止符を打ち、全てのフランチャイズの公有化を要求する英国の労働組合をITF鉄道部会は支持している。

 ここ十数年間、多くの国で鉄道の民営化や再編が急速に進んだ。各国の労働組合は、ほぼ例外なしに、民営化で労働条件が大幅に悪化したと報告している。サービスの質や信頼性が低下したことも示されている。これは、公共のニーズに応えるという公共部門の基本理念よりも利益追求が重視されてきたからである。

 鉄道の民営化・自由化・細分化の結果、安全性、賃金、労働条件、年金、団体交渉権、民主的説明責任が犠牲になることを我々は経験から知っている。コミュニティのニーズよりも利益が優先され、運賃の値上げや効率の低下も引き起こされる。ITFは、2018年の世界大会で、民営化の終了と公有化を目指す2016年鉄道部会総会のコミットメントを再確認した。

 ITFのデービッド・ゴベ鉄道部会議長は次のように語った。「乗客のニーズと労働条件の両方において、21世紀にふさわしい鉄道を作り上げなければならない。英国の労働者はそのノウハウを持っている。彼らは最悪の民営化を経験した後、国の鉄道を復活させるというユニークな機会に直面している。国有化が必要なのは明白だ。政治家、労働組合、労働者団体、使用者団体を関与させることで、国有化を実現できる」

 民主的な制度を通じて市民に対して責任を負う、よく計画された公有のネットワークこそ、公共交通の強化・発展の最良の機会を生み出す。我々は、適切な資金が確保された公有の交通システムが、良好な条件と雇用の安定を生み出す最良の機会であることも知っている。公有および民主的な管理制度を通じてのみ、鉄道サービスの経済・社会・環境的な恩恵が保障される。

 我々は交通運輸の労働者であるだけでなく、利用者でもある。我々の配偶者、子供、親族、友人もそうである。コロナ禍で政府の救済策が必要となっていることは、未来にふさわしい鉄道は民間企業には担えないことを示している。利益は民営で、損失は国営で処理することなど許さない。

 重要な国家インフラであり、自然独占性が強く働く鉄道は、その性質を考慮すれば、有事のときも平時のときも質の高いサービスを保障できる公有・公営がふさわしい。その目的は、手頃な価格で質の高い旅客運送サービスを社会に提供し、高速かつ効率的な貨物輸送サービスを産業および商業のために提供することである。これほど重要な鉄道産業は、利益よりも人々を常に優先させるものでなければならない。

 

ITF鉄道部会議長:デービッド・ゴベ

ITF内陸運輸部長:ノエル・コード

ITF都市交通ディレクター:アラーナ・デーブ

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