Skip to main content

驚愕の報告書が英国漁業界で働く移民労働者の劣悪な労働条件を露呈

24 May 2022
記者発表資料

新しい報告書から、移民労働者が英国の漁業界で働く際、恐るべき人種差別、性的虐待、人権侵害に直面していることが確認された。ITFは、英国政府はこんなことを可能にしている移民規則の抜け穴を塞がなければならないと述べている。

「報告書から、英国の移民法と海事法の矛盾が確認された。その代償を支払わされているのは移民漁船員だ」と国際運輸労連(ITF)のスティーブ・コットン書記長は述べる。「この矛盾から、漁船員の状況は脆弱性を極めることになる。彼らはトランジットビザ(通過査証)しか持たない状態で漁船主から「合法的に」英国に連れてこられ、結果として搾取される」

コットン書記長は、ノッティンガム大学のライツラボ(権利研究所) が作成したレポートを歓迎している。同レポートにより、英国の漁船主から移民漁船員が受けている労働搾取を示す証拠の重みが加わったからだ。

「この驚くべき報告書は、移民漁船員に船員用のトランジットビザを使わせる制度を終了し、熟練労働者用ビザへ切り替えるべきだと、英国政府に求めてきたITFの主張を補強するものだ。そうすれば、移民労働者を搾取から保護しやすくなる」とコットン書記長は述べる。

20216月から10月の間に、ノッティンガム大学ライツラボは、英国の漁船団全体の漁船員の労働条件に関する初の独立したベースライン調査 を行った。調査では、108の質問項目を作成し、併せて英国、EU、フィリピン、ガーナ、インドネシア、インド、スリランカ出身の16名の漁船員へのインタビューも行った。

主な結果

ノッティンガム大学のリサーチから以下が判明した:

  • 漁船員の35%が人種差別や性的暴行などの身体的な暴力を定期的に経験していると報告した。
  • 英国漁船に乗り組む移民漁船員の平均賃金は時給3.51ポンドで、英国の最低賃金の3分の一以下だ。
  • 回答者の19%が自身の労働条件を強制労働に近いと報告した。
  • 移民労働者の18%が労働契約に名称が記載されていない船舶で働くことを求められたと回答したが、これはトランジットビザの条件に明らかに違反している。
  • ほとんどの移民漁業者は、漁業労働条約(ILO188号条約(英国は2019年に批准))に違反する長時間労働を強いられていると報告した。
    • 回答者の60%が一回のシフトで最低16時間働かされたと報告した。
    • 回答者の3人に一人が20時間以上のシフトに就いていると答えた。
  • 漁船員(英国籍者含む)の60%以上が、ブラックリスト入りが怖いので、苦情を報告するつもりはないと答えた。
  • 欧州経済領域(EEA)外からの移民漁船員全員がが、船員用のトランジットビザで英国に連れてこられていた。

トランジットビザは移民漁船員には全く適さない 求められる早急な改革

ライツラボのレポートによると、欧州経済領域(EEA)外出身の移民漁船員は、雇用主がビザ制度を管理し、不適切な船員用のトランジットビザで漁船員を働かせているため、欧州の漁船員の数分の一の賃金で働かされている。

トランジットビザの誤用は、今週初めにITFが発表した報告書『労働搾取への片道切符:トランジットビザという制度の抜け穴が英国の漁船で移民労働者を搾取労働させるためにいかに利用されているか』によって明らかになった

ITFの漁業専門家で、ITFの「トランジットビザ・レポート」を書いたクリス・ウィリアムスは、新しいライツラボのリサーチについて、次のように述べた。「船員のトランジットビザは、移民労働者を英国の漁業で働かせる用途には全く向かない。これらの衝撃的な調査結果から、多くの漁船主が移民ステータスに関する外国人乗組員の心配につけこみ、彼らの脆弱な立場を利用し、地元の乗組員よりも低賃金で長く働かせていることが明らかになった」

「漁船員は、何か言ったり、例え、短時間であったとしても、船を降りて上陸しようとしたり、虐待について報告でもしようものなら、英国から強制送還され、業界のブラックリストに載せられると恐れている。これは明らかに許容できないことだが、部署間の手続きの明確性が欠如し、この搾取の連鎖を可能にする制度の抜け穴を塞ぐことが長らくできずにいるために、こうした労働者搾取が政府の監視の網をすり抜けることが継続的に起きてしまう」とウィリアムズは補足した。

スティーブ・コットン書記長は次のように締めくくった。「人身取引と強制労働は、英国で働くために採用されたフィリピン人、インドネシア人、インド人、ガーナ人の漁船員にとって、引き続き脅威であり続けるだろう。ITFは長年この問題を指摘してきた。

今こそ、英国政府が行動を正すべき時だ」

ノッティンガム大学ライツラボのレポート作成時に行った漁船員のインタビューの抜粋

  • 「漁船主がこう言うのを聞いた。『地元船員一人分の給料で、外国人なら23人雇える』」
  • 「(英国に働きに来るために)ローンを組んだ。ガーナに戻ったらローンを返済しなくてはならない」しかし、帰国が半年遅れたので、ローンの返済額がさらに増えていた。17,000セディの負債だと言われたが、当初は10,000 セディだったはずだ。家に帰るのが遅れたためにローンが7,000セディ増えてしまった」
  • 「英国でまた働きたいなら、『いやだ』と言うより、うなだれて黙っているほうが楽だ」
  • 「ビザ制度のため、船に居続けるしかない。船を降りて助けを求めれば、もう二度と漁船では働けないだろう。賃金ももらえないまま、ただ待っているしかない。もし、助けを外部に求めたりしたら、彼らは斡旋業者に連絡して、私のビザが切れたから、帰国の費用は自分で負担しなくてはならないと言うだろう」

おわり

編集者メモ:

  • 『搾取を見逃しますか?– 英国漁業界の労働搾取を証明する』はノッティンガム大学ライツラボが作成した。ここから閲覧できる
  • ITFレポート、『』労働搾取への片道切符::トランジットビザという制度の抜け穴が英国の漁船で移民労働者を搾取労働させるためにいかに利用されているか』は、ここからダウンロードできる

この記事に関する問い合わせ先: media[at]itf.org.uk