
スティーブ・コットン
世界147カ国の船員、港湾、路面、鉄道、航空産業の665組合、2000万人を組織する国際産別組織である国際運輸労連(ITF)の書記長。2018年にシンガポールで開催された第44回ITF世界大会で書記長に選出された。
1993年に特別船員部協約班長としてITFに採用された後、特別船員部(SSD)次長、SSD部長、海事コーディネーターに就任し、2012年10月に書記長代行に任命された。
海事コーディネーター時代には、海事産業にプラスの影響を与え、船員の生活向上につながる重要な成果を達成した。在任中、ITFインスペクター・コンタクトの数は、35人から147人に増え、ITF協約船の数は2000隻未満から12,000隻以上に増えた。FOCキャンペーン・ポリシーの改定も統括した。「オスロからデリーヘ」や「メキシコシティ・ポリシー」の策定を主導し、2006年のILO海上労働条約(MLC)-国際法として保障される国際最低基準-の土台を築いた。
交通運輸労働者の生活の真の向上を実現させるために、また、交通運輸業界の主要プレーヤーに影響力を行使するために、加盟組合の力の強化や書記局の機構改革を通じて、ITFの運営向上を目指してきた。書記長に就任してからは、ITFを活発なキャンペーン(運動)主体の組織に改革し、航空、海事、路面運輸産業等の主要多国籍企業と画期的な協定やプロトコールを締結した。
2014年、世界の船員の福祉向上や公正な処遇の確保を目指す活動が認められ、海運界で最も名誉ある、ユナイテッド・シーメンズ・サービス(USS)AOTOS賞を受賞した。
ITF船員トラスト、国際海事訓練トラスト(IMTT)、USSの理事を務めている。