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HIV-エイズを忘れずに

ニュース

 12月1日は世界エイズデーです。ITFは、コロナ禍においてもHIV対策を怠らず、これまでの成果を無駄にすることのないよう、交通運輸産業の全ステークホルダー(利害関係者)に呼びかけています。

 今年の世界エイズデーのテーマは「不平等をなくそう」です。置き去りにされている人々に特に焦点があてられます。ITFは、必要なHIVサービスを利用できない人がいる不平等の問題に対して、特に交通運輸労働者の観点から、世界エイズデーの取り組みを支援しています。

 交通運輸産業の労働組合、使用者、政府機関等、あらゆる利害関係者に対して、コロナ対策に加えて、HIVの予防、治療、ケア、サポートもしっかりと継続する必要性を訴えています。

 

コロナ禍で明るみになったこと

 コロナ禍によって、経済、社会、文化、法律面での不平等が一層拡大しました。HIVに関連する、格差、分断、人権軽視等はなくなっておらず、HIVは依然として世界的な健康危機であり続けています。一つの病気との闘いは、別の病気の犠牲の上になされるべきではありません

 UNAIDSは、コロナ禍に起因する医療体制の逼迫、生計手段の喪失、ロックダウン、雇用機会の減少が、無防備なセックス、性的暴力・搾取、性の取引・労働を増加させ、HIV感染を拡大させる可能性があると指摘しています。さらに、コロナ禍が始まって以降、国境を越えて移動する交通運輸労働者のHIV治療や関連サービスの利用は減っています。

 ITFは、コロナ対策は緊急案件として継続していく必要があるものの、HIVに感染しやすい交通運輸労働者が犠牲になってはならないと主張しています。交通運輸労働者は今、長年の疫病と新しい流行病の二重の危機に直面しています。世界には依然として驚くほど多くのHIV感染者が存在します。2020年には150万人が新たにHIVに感染し、68万人がHIV関連で死亡しました。一方、同年の新型コロナウイルス感染症の死亡者数は1,813,188人でした。(ただし、公式の死亡者数はもっと多い可能性があります。)  これらの数字は、HIV危機はまだ終わっていないことを示しています。

 国連合同エイズ計画(UNAIDS)と世界保健機関(WHO)は、HIVサービス継続の利益について、新型コロナウィルスの感染拡大の害悪との比較の上で、証明する数学モデルを支持しています。この数学モデルでは、HIVサービスに関連する短期的な新型コロナウィルス感染リスクはいくつかあるものの、新型コロナ感染による死亡リスクは、HIVサービスにより回避できるエイズ関連の死亡リスクの100分の1に過ぎないとしています。必要なHIVサービスを継続しなければ、HIVの予防、診断、治療の欠如に起因する全体的な死亡リスクが高まることは明らかです。このようトレードオフはあってはならないとITFは考えます。

 

海上のHIV治療の問題

 ITFは4本柱のアプローチ(意識啓発、教育とコンドームの配布、任意のカウンセリングと検査、治療とケア)でHIV予防に取り組んでいます。しかし、今日、新型コロナウィルス感染症の予防、検査、追跡、治療に医療・保健人員の多くが動員され、4本柱の全てが継続困難に陥ったり、中止を余儀なくされたりしています。

 船員に対する治療やケアの状況も悪化しています。コロナ禍以前から、船員にとって、HIV治療や投薬は困難なものでした。しかし、コロナ禍に伴う入国制限により、船員の上陸が禁止されたため、船員のHIV治療や投薬は一層複雑かつ困難なものとなりました。このことは、あってはならない治療・投薬の格差の問題をもたらしています。一方、船員の雇用主や船内の衛生管理者も問題を真剣に捉えていないように思われます。

 ITFは、ソーシャルメディアを通じて支援を求めてきた船員と定期的に連絡を取ったり、インスペクターのネットワークを活用しながら、個別の対応を行っています。

 

継続的なサポート

 船内のHIV治療の問題に対しては、様々な方法で、HIV陽性の船員を積極的に支援、保護しています。

 例えば、HIV陽性の船員のネットワークを世界で初めて立ち上げました。また、フィリピン船舶職員部員組合(AMOSUP)と共に、自助・サポート団体として正式に登録されているPMPIの設立を支援しました。PMPIは、健康状態のために仕事を得るのが難しいHIV陽性の船員の権利を守るために活動しています。

 フィリピンでは、HIV感染者が増えており、また、フィリピンは主要な船員供給国であるため、このような団体をフィリピンにを設立することは特に意義があります。ITFとPMPIはコロナ禍においても、緊急に投薬を必要とする乗船中のHIV陽性船員に対する支援を継続していきます。

 

HIV-エイズに焦点を

 HIV-エイズに再び焦点があてられ、不平等が是正され、HIV感染のリスクが高い、あるいはHIV陽性の交通運輸労働者がコロナ禍においても、必要な治療とケアを受けられるようになることを期待します。

 また、あらゆるステークホルダー(利害関係者)がコロナ禍の教訓を活かして、今後発生し得る流行病の対策を実施することを期待します。特に、各国の政府や衛生当局は、交代できずに船内で足止めされている船員のHIV治療・投薬を優先させるべきです。

 既存の疾病への対応策を怠ることなく、新たな疾病に対して迅速かつ効果的に対応する戦略・手続きについて検討し、社会の隅に追いやられている人々が置き去りにされることのないようにすべきです。

 ITFのHIV-エイズ・健康プログラム・コーディネーターのサイード・アジフ・アルタフ博士は次のように述べています。  「ITFは、船員の健康と幸福を維持し、HIV感染者やエイズ患者が直面し続けている偏見や差別をなくすことにコミットしています。世界は今、コロナ禍という未曾有の危機に直面しています。しかし、今、HIV-エイズの問題の本質を見失うべきではありません。今日の世界エイズデーにおいて、交通運輸産業の全ての利害関係者に訴えます。HIV危機を永続させている経済的、社会的、文化的、法的な不平等を是正し、HIVに対する差別へ偏見を追放しましょう」

 ITFのスティーブ・コットン書記長は次のように述べています。「コロナ禍は、世界における不平等の実態を浮彫にしました。社会の隅に追いやられている人が最も深刻な影響を受けています。国境を超えてエッセンシャルワーク(市民の生活のために不可欠な仕事)に従事する交通運輸労働者、特にHIV陽性の労働者は、大きなリスクを抱えています。交通運輸産業の全ての利害関係者は、社会の隅々で奮闘する労働者を保護するために、今すぐ行動(HIVサービスの維持・継続を含む)を起こすべきです。

 

現場の声

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