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歴史的勝利を手にしたニュージーランドのウーバー運転手

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国際運輸労連(ITF)、ニュージーランド最高裁で全会一致の画期的な勝利を収めた加盟組合のワーカーズ・ファースト・ユニオンとE tū労組を祝福

何年にもわたる法廷闘争の中、訴訟のどの段階においても運転手側に有利な判決が下されてきたが、この度、ニュージーランドの最高裁判所が最終的かつ決定的な判決を下した。
 

最高裁の判決

この訴訟は20217月、ワーカーズ・ファースト・ユニオンとE tū労組が4人のウーバー運転手を代表して開始した。ウーバーの運転手と上述の2労組は、長年にわたり、ウーバーのビジネスモデルは最低賃金、休日手当、病気休暇、不当な処遇に異議を唱える権利などの保護措置を意図的に否定していると主張してきた。

そして長きにわたる法廷闘争の末、最高裁もこれに同意したのだ。同判決は、運転手は、「ウーバーのために、ウーバーの管理下で」働いており、他の企業の従業員と同等の権利を有することを明確にした。この裁定は、4人の労働者の勝利以上の意味をもち、何千人もの運転手にとって、長年の低賃金と無償休暇に対する賠償、未払い賃金の支払いと最低限の権利の保障への道を開くものである。

また、この判決により、団体交渉に関する最後の障壁も取り除かれた。ワーカーズ・ファースト・ユニオンは2022年以来、労使交渉を試みてきたが、運転手は従業員ではないとの理由から、ウーバーは繰り返しこれに抵抗してきた。今や最高裁がウーバーの主張を封印したのだ。これで団体交渉が前進し、ニュージーランドはイギリス、フランス、ドイツなど、プラットフォーム労働者のための労働協約が存在する他の国々と肩を並べられることになる。
 

労働組合と労働者「長い闘いの末、遂に正義がもたらされた」

ワーカーズ・ファースト・ユニオンとE tū労組は、この決定を、ウーバーの運転手のみならず、搾取や誤分類と闘ってきたすべてのプラットフォーム労働者にとっての分岐点となるとして歓迎している。

ワーカーズ・ファースト・ユニオンの アニータ・ローゼントレーター書記次長は、この判決は長年にわたるプラットフォーム労働者の組織化と、彼らの率先した運動の正当性を証明するとし、次のように述べた:「2021年に初めてウーバーを訴えた4人の運転手は、4年にわたる闘争に耐えながらも、意思を強くもち、団結を保ってきた。これは容易なことではなかったが、それだけの価値ある闘いだった」

『偽りの請負業者』を見破り、ギグ・エコノミーを規制し、ニュージーランド国民がウーバーのような略奪的な多国籍企業に搾取されないようにするための適切な司法ガイドラインを導入している国にニュージーランドが加わったことを嬉しく思う」

長らくそう主張してきたウーバーの元運転手の一人、 ヌレディン・アブドゥラーマンは、この判決はギグ企業と政府の双方に明確なメッセージを送ったとし、次のように述べた。「ホッとした。自分たちは何が正しいか常に分かっていたが、裁判所によって遂にそれが確認されたのだ。これは長い闘いの末に果たされた正義だ!我々は法廷だけでなく、地域社会でも勝利を収めた。これまでに説得されずに残っていたのは、ニュージーランド国民の声に耳を傾けてこなかった政治家だけだった」
 

組合は警告する:闘いは終わってはいない

この判決にもかかわらず、ワーカーズ・ファースト・ユニオンとE tū労組は、政府は誤分類をなくすのではなく、誤分類を定着させる危険性のある改革を提案していると警告している。

提案されている雇用関係修正法案は、裁判所で自らの雇用形態について争うことを、多くの請負業者にとって不可能とするものであり、最高裁が今正に覆した不公正な処遇を事実上隠蔽するものだ。

労働者たちは、政府は労働者の権利を守るか、あるいは説明責任を回避しようとする巨大企業の側につくか、どちらかを選ばなければならないと主張している。
 

世界的な意義

ニュージーランド最高裁の判決は、プラットフォーム労働者の雇用形態に関する司法判断としては、世界でも最も権威あるものの一つと言える。同判決は、「ギグ・エコノミー企業が労働法を回避し、労働者の権利を否定するための抜け道として、労働者の誤分類を利用することはできない」という、世界中の労働者や労働組合による長年の主張を裏付けるものだ。

ITFスコット・マクダインアジア太平洋地域部長は次のように述べた。「この判決は、ニュージーランドの労働者にとっての大勝利であり、ギグ・エコノミー企業に対し、労働者の権利を避けて通ることはできないという強力なメッセージを発信することになる。ITFは、ワーカーズ・ファースト・ユニオン、E tū労組、また、これまで否定されてきた自らの権利と尊厳を今では要求できる立場になった何千人もの労働者に全面的な連帯を寄せたい」

ITFで仕事の未来部長を務めるベイカー・クンダクジは補足して次のように述べた。「このケースから、プラットフォーム労働者が労働法の保護から外されてはいないことが示された。彼らも組合に加入し、団体交渉を行う権利を含め、他のすべての労働者と同じ権利を持っている。ITFは、この勝利の勢いが各セクターや各地域に確実に行き渡るようにしなければならない」
 

プラットフォーム労働者条約を求める世界的な闘いの一環

ニュージーランドにおける今回の勝利は、プラットフォーム労働者のための拘束力のある国際基準を確保する世界的な闘いに向けた、力強い一歩にもなった。世界中で、何百万人ものアプリベース労働者が、誤分類、アルゴリズムによる管理、低賃金、基本的権利の否定といった、企業の同じ戦術に悩まされている。

ITFは世界中の組合とともに、ギグ・エコノミーで働くすべての労働者に、団結権、団体交渉権、公正な賃金、社会的保護、アルゴリズム管理の透明性、不当なアカウント停止からの保護など、普遍的な権利を保障する、新たなプラットフォーム労働者条約の制定を要求している。

プラットフォーム労働者条約の制定に向けたグローバル・キャンペーンについては、こちらを参照のこと。

 

現場の声

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