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民間人の船員への攻撃を非難する

ニュース

 (2026年3月5日配信)

 

  国際運輸労連(ITF)は、イランと中東での戦争の激化に巻き込まれた民間人の船員に対して継続している攻撃を非難し、世界の海事労働者が再び直接的な危険に晒されていると警告している。
 

 本日開催された国際労使交渉フォーラム(IBF)の「軍事行動区域委員会(WOAC)」会合を受け、ITFと合同交渉団(JNG)は、ホルムズ海峡、オマーン湾、ペルシャ湾を、同海域で働く乗組員と船舶に対する脅威の高まりを踏まえ、「軍事行動区域(WOA)」に指定することで合意した。
 

 この指定により、軍事行動区域でIBF協約の締結船舶に乗り組む船員に対する保護措置と補償の強化が発動される。
 

 ITFスティーブ・コットン書記長は、今回の指定は、民間人の船員が、再び危険に晒されるという、容認できない現実を受けて行われたと述べる。
 

 「またしても、船員たちが自ら招いた訳ではない紛争において、直接危険に晒されている」とコットン書記長。「近年、民間人の船員が戦争の付帯的損害を被る事例があまりにも頻繁に発生している。黒海、紅海、そして今やホルムズ海峡までもがこれに続いている。これらの船員は労働者であり、しばしば、グローバルサウス出身で、故郷から遠く離れて働き、職場の周囲で展開する紛争とは何ら無関係だ」
 

 「本日のWOA指定により、IBF協約を締結する船舶に乗り組む船員は、この危険海域で働く場合に不可欠な保護を保証される。こうした措置を講じねばならない事実こそが、今日、船員が直面する事態に対する痛烈な告発であるといえる。いかなる労働者も、単に職務遂行しただけで、命や身体の危険に晒されるべきではない。特に、その職務が世界経済を支える石油や物資の輸送であるのであるなら、なおさらのことだ」


 米国とイスラエルが228日にイランに対し、 『エピック・フューリー(壮絶な怒り)』作戦を開始して以来、ITFの船員支援部門には助言や支援を求める船員からの問い合わせが殺到している。船員が抱える最も一般的な懸念は、船員の権利と保護の明確化、特に本国送還の要請に関する事項や、当該海域への航行拒否権に関する疑問が含まれる。  
 

 同地域のほぼ全体にまたがり、国際空域が広範囲に閉鎖されていることで、事態がさらに悪化しており、船員が船舶を離れて帰国する能力が著しく制限されている。本国送還のルートが大幅に制限されているため、乗組員の多くが極めて不安定な環境で運航する船舶に留まらざるを得ない見込みであり、緊張緩和、安定化、安全な移動確保の緊急性が浮き彫りになっている。
 

 「既に海軍の護衛下でホルムズ海峡の海上輸送路を再開すべきとの声も上がっている。しかし我々が明確にすべきなのは、船員を守る最も安全な方法は、そもそも彼らを戦域に送り込まないことだということだ」とコットン書記長は述べた。

 

 「海軍の護衛が民間人の船員の安全を保証するわけではない。いかなる護衛も、ミサイルやドローンが商船を攻撃し民間人の船員を傷つけるリスクを根絶できない。優先すべきは緊張緩和、外交、紛争の終結だ。それまでは民間人の船員を危険な状況に晒すべきではない」
 

 ホルムズ海峡の船舶通行停止を受け、約1,000隻の外航船がペルシャ湾で足止めされている。このことからも、混乱の規模と船員が直面するリスクの大きさが浮き彫りになる。
 

 ITF船員部会議長であり、北米船員国際組合の委員長を務めるデビッド・ハインデルは、今回のWOA指定は、船員の安全が脅かされる状況下における、労働組合と船主の協力の重要性を示していると述べた。
 

 「国際労使交渉フォーラム(IBF)の労使パートナーが本日取った行動は、船主、船舶運航者、船員組合の協力がなぜ不可欠なのか、その理由を示している」とハインデル議長。「建設的な社会対話を通じて、新興のリスクに迅速に対応し、世界の船員の安全、権利、福祉を最優先事項に据え続けることを担保できる。船員は民間人であり、我々は一丸となり、船員が地政学的紛争がもたらす結果から確実に保護されるようにしなければならない」


 ITFは、WOA指定が重要な保護を提供する一方で、唯一の真の解決策は緊張緩和である点を強調した。今回の指定は、IBF軍事行動区域委員会(WOAC)により、定期的に見直される。

 

問い合わせMark Dearn | media@itf.org.uk | +44 7850 207412 

 

 

編集者への注記

 国際運輸労連(ITF)と合同交渉団(JNG) は、国際労使交渉フォーラム(IBF)の労使パートナーとして、5日のIBF軍事行動区域委員会(WOAC)の協議結果を受け、ホルムズ海峡、 オマーン湾、ペルシャ湾を「軍事行動区域(WOA) 」に指定することで合意した。

 IBFで合意された条件に基づき、WOA内あるいはWOAに入域する船舶に乗り組む船員は以下の保護を受ける。

  • 基本賃金の100%に相当するボーナス(最低5日間。さらに当該区域内に1日滞在するとごに支給)
  • 当該区域内で発生した事故による死亡および後遺障害に対する補償の倍増
  • 当該区域の乗船を拒否する権利。会社の費用負担で本国へ送還され、基本賃金の2カ月分に相当する補償を受ける。
  • 運航船社はISPSコード保安レベル3に相当する保安対策の強化を勧告される。

 これらの規定は、WOAを通過する船員に適用される標準的な保護を反映している。

 ITFJNGは船員の安全・福祉の最優先を強調する。最も安全に船員を保護する方法は緊張緩和と外交努力への回帰だ。現在、中東の空域の大半が閉鎖されているため、下船を希望する船員の送還手段も大幅に制限されており、安定かつ安全な航路の確保が急務となっている。

 当該区域またはその周辺を航行する船員は、空路の制約や急速に変化する治安状況から本国送還が困難となることを認識しつつ、警戒を怠らず、自身の権利と選択肢について会社や組合に助言を求めてほしい。船主および運航船社は本国送還の促進に全力を尽くし、船員の安全確保のためにあらゆる手段を講じるべきだ。

 ホルムズ海峡は戦略的に最も重要な航路の一つであり、世界のエネルギーの大半が通過する。中東地域の平和と安定は船員の安全および世界貿易の双方にとって極めて重要である。

 WOA指定はWOACによって毎週見直される。

 

ITFについて: 国際運輸労連(ITF)は民主的で加盟組合主導の、世界で最も権威ある交通運輸労働者の団体です。労働者の生活改善に向けて情熱的に闘い、150超の国の730以上の加盟組合と連携し、世界の労働者の権利、平等、正義の実現を目指しています。世界各国の1,650万人以上の交通運輸労働者を代表しています。

JNGについて: 合同交渉団(JNG)は海運産業の使用者側の意見を調整する役割を果たしています。現在、国際海事使用者委員会(IMEC)、国際船員労務協会(IMMAJ)、韓国船主協会(KSA)、台湾船社エバーグリーンで構成されています。

IBFについて: 国際労使交渉フォーラム(IBF)は、ITFと(使用者側の)合同交渉団(JNG)の労使交渉の場となっています。IBF交渉には中央交渉とローカル交渉があり、これらの交渉を通じて基本原則が策定され、ローカルの協約に組み込まれます。このユニークな賃金交渉は、国際的な団体交渉の唯一の例です。

 

 

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