プレスリリース(2026年3月5日配信)
ITF-JNG共同声明:ホルムズ海峡周辺の「軍事行動区域」指定
国際運輸労連(ITF)と合同交渉団(JNG) は、国際労使交渉フォーラム(IBF)の労使パートナーとして、5日のIBF軍事行動区域委員会(WOAC)の協議結果を受け、ホルムズ海峡、 オマーン湾、ペルシャ湾を「軍事行動区域(WOA) 」に指定することで合意した。
3月2日の「ハイリスクエリア」指定を格上げするもので、同区域を航行する船舶および船員に対する脅威の高まりを反映している。ホルムズ海峡の通航が停止され、数百隻の船舶がペルシャ湾で立ち往生しており、民間人の船員が直面している混乱とリスクの大きさが浮き彫りとなった。
WOA指定により、IBF協約適用船員は当該海域を航行あるいは立ち往生している場合、より充実した保護と補償を受けることができる。すでにWOA内にいる船員は追加的な補償を受ける権利および現在の重大な運航上の困難を理由に本国送還を要求する権利を有する。一方、WOA内に入るよう指示された船員は乗船を拒否し、会社の費用での本国送還を要求する権利を有する。
IBFで合意された条件に基づき、WOA内あるいはWOAに入域する船舶に乗り組む船員は以下の保護を受ける。
- 基本賃金の100%に相当するボーナス(最低5日間。さらに当該区域内に1日滞在するとごに支給)
- 当該区域内で発生した事故による死亡および後遺障害に対する補償の倍増
- 当該区域の乗船を拒否する権利。会社の費用負担で本国へ送還され、基本賃金の2カ月分に相当する補償を受ける。
運航船社はISPSコード保安レベル3に相当する保安対策の強化を勧告される。
これらの規定は、WOAを通過する船員に適用される標準的な保護を反映している。
ITFとJNGは船員の安全・福祉の最優先を強調する。最も安全に船員を保護する方法は緊張緩和と外交努力への回帰だ。現在、中東の空域の大半が閉鎖されているため、下船を希望する船員の送還手段も大幅に制限されており、安定かつ安全な航路の確保が急務となっている。
当該区域またはその周辺を航行する船員は、空路の制約や急速に変化する治安状況から本国送還が困難となることを認識しつつ、警戒を怠らず、自身の権利と選択肢について会社や組合に助言を求めてほしい。船主および運航船社は本国送還の促進に全力を尽くし、船員の安全確保のためにあらゆる手段を講じるべきだ。
ホルムズ海峡は戦略的に最も重要な航路の一つであり、世界のエネルギーの大半が通過する。中東地域の平和と安定は船員の安全および世界貿易の双方にとって極めて重要である。
WOA指定はWOACによって毎週見直される。
問い合わせ: Mark Dearn | media@itf.org.uk | +44 7850 207412
編集者への注記
ITFについて: 国際運輸労連(ITF)は民主的で加盟組合主導の、世界で最も権威ある交通運輸労働者の団体です。労働者の生活改善に向けて情熱的に闘い、150超の国の730以上の加盟組合と連携し、世界の労働者の権利、平等、正義の実現を目指しています。世界各国の1,650万人以上の交通運輸労働者を代表しています。
JNGについて: 合同交渉団(JNG)は海運産業の使用者側の意見を調整する役割を果たしています。現在、国際海事使用者委員会(IMEC)、国際船員労務協会(IMMAJ)、韓国船主協会(KSA)、台湾船社エバーグリーンで構成されています。
IBFについて: 国際労使交渉フォーラム(IBF)は、ITFと(使用者側の)合同交渉団(JNG)の労使交渉の場となっています。IBF交渉には中央交渉とローカル交渉があり、これらの交渉を通じて基本原則が策定され、ローカルの協約に組み込まれます。このユニークな賃金交渉は、国際的な団体交渉の唯一の例です。
