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新報告書は政治家に向けた世界のカボタージュ法の事実に基づく分析である

ニュース 記者発表資料 24 Sep 2018

ITFはシーフェアラーズ・ライツ・インターナショナル(SRI)の新しい報告書「世界のカボタージュ法ー世界の海運カボタージュ法の画期的分析」の発表を歓迎している。

報告書作成はITFの依頼で行われ、1992年ぶりに海運カボタージュについて独立的に分析を行うものとなった。140か国の法律と各国から得た助言をベースにまとめられたSRI報告書からは、世界の国連加盟沿岸国の約8割にあたる91か国に外国籍船が内航海運に従事することを制限するカボタージュ法が存在することが分かった。

ITFと加盟組合は国内カボタージュ法の重要性や内航海運で国内の船員が働くことの価値、また国内の船員が万一見つからない場合は外国人船員にも国内の船員と同等の雇用条件を提供することの重要性を説くための運動を世界中で展開してきた。

ITF船員部会のデイブ・ハインデル議長は今日次のように語った。「これまで世界のカボタージュ法に関する正確な情報がなかったことが、政治家がカボタージュ法の制定を決定する妨げとなってきた。この報告書のおかげで、政治家は関係する事実に基づいて正しい意思決定をできるようになる」

SRI報告書は『カボタージュは規則ではなくて例外措置である』 という神話を打破するものだ。カボタージュを規定する法律は全世界に存在しており、世界の国連加盟沿岸国の約8割にあたる91か国に存在する」

「カボタージュ規則の導入や強化、あるいは弱体化を検討している国があると聞いている。この報告書はそうした政府が国内カボタージュ法を確実に実施することを担保するだろう」

この報告書によると、カボタージュ法は普通のもので、地元海運を保護し、熟練海事労働者を確実に保持し、海運界の知識を保護し、国家の安全保障を促進・強化することを目的としている。

ITFカボタージュ・タスクフォースのジェームズ・ギブン議長は今日、次のように語った。「カボタージュ法の恩恵は自明だ。海運に依存する国にとって、カボタージュは海運国の戦略的利益を守るものであり、経済的な恩恵をもたらすだけでなく、国家の安全保障や環境も保護することにつながる」

「カボタージュは自国の船員に雇用を提供し、グローバル海運産業において外国人船員が搾取されるのを防ぎ、底辺への競争を防ぐ」

「強力なカボタージュ法がなければ、FOC船に乗り組む地元の船員は安価で搾取を受けている外国人船員と競争しなくてはならなくなる。FOC船の所有者はしばしば、サブサタンダードの賃金しか支払わず、安全のための法律を軽視する」

ITFは今後も引き続き、強固で実施可能なカボタージュ法を実現するための世界的闘いの先頭に立っていく。カボタージュ法があってこそ、労働者は声を上げ、ディーセントな(人間らしい)仕事ができ、環境や国を保護することができるのだ。

世界のカボタージュ法に関する主な事実:

  • カボタージュを規定する法律は世界の国連加盟沿岸国の約8割にあたる91か国に存在しており、カボタージュは一般的慣行である。
  • カボタージュ規制は国の政治状況、経済状況、法律のしくみを問わず存在する。
  • カボタージュ政策の目的は多様性に富み、国家の安全保障を維持し、公正な競争を促進し、人間の能力を発展させ、雇用を創出し、海運産業を促進し、港に停泊する船舶の安全を守り、海事環境の保護を促進し、海運の知識と技術を保持することを目的としている。
  • カボタージュ法は多岐に富み、国によって採用するアプローチは様々で、事実上、あらゆる側面においてその解釈や実施行政、実施状況も異なる。
  • カボタージュ法は何世紀も前から存在しており、かつ継続的に進化している。
  • カボタージュには全ての国を国際法のもとに束ねるような統一の定義があるものではない。地域や国によってカボタージュの定義は大きく異なる。 

同報告書(完全版)は以下のサイトで閲覧可能:  https://seafarersrights.org/seafarers-subjects/cabotage/

詳細な情報が必要な場合は以下に連絡を:

Luke Menzies, ITF Maritime Communications ManagerITF海事コミュニケーション部長、ルーク・メンジーズ)
+61 (0) 433 889 844 | menzies_luke@itf.org.uk

ITFについて

国際運輸労連(ITF)は交通運輸労働者の組合の国際連合体だ。ITFは全世界における交通運輸労働者の間の国際連帯を奨励・調整している。ITFは世界140か国670組合に所属する1,970万人を組織している。

シーフェアラーズ・ライツ・インターナショナル(SRI)は、世界中の判事、教授、弁護士、海運産業の代表者から成り、海運産業全体を代表する諮問機関の指導のもと、海運関係の問題の法律面の研究を独立的に行っている。


 

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