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新たな取り決めだけが航空を救える

ニュース 14 Aug 2020

今、航空業界は新型コロナウィルス感染症の影響の第2波に見舞われつつあり、業界全体で何千人もの失業者が出るという余波を既に経験し出している。そこで、ITFは救済と回復、改革に基づく航空労働者のための新たな取り決めを早急に行うことを求めている。

新型コロナウィルス感染症が拡大し始めた当初、ITFは政府と企業に対する10の主要な要求事項を決めた。加盟組合を対象とした調査から、加盟組合の多くがこれらの要求の多くを組合員のために達成したものの、それが労働者への一時的な支援で終わったことも判明している。コロナ禍の経済的影響が深刻になり始めている今、雇用維持や労働者支援、航空業界の保護措置などの当初の支援策の多くが力尽きてしまい、航空業界は今、まさに生き残りをかけて必死に闘っている。したがって、ITFは政府と企業に対し、ITFの主な要求を受け入れるよう再度要求したい。

全関係者が航空産業の回復を支援する必要があり、これには、労働者、使用者、規制当局、政府が含まれる。

労働者への影響

2波の脅威は新型コロナウィルス感染症そのものの脅威ではなく、世界の航空業界全体で数十万人の労働者が雇用を失うかもしれないという脅威だ。ほぼ毎日、世界のどこかで航空会社が従業員を解雇した、あるいは財政難に見舞われているといった報道がなされている。

コロナ禍の最悪の影響から世界が立ち直るのを支援する上で、航空が非常に重要な役割を果たしていることを思うと、これは受け入れがたい事実だ。ITF加盟組合とその組合員は、人類全体を支援するために頑張り、やるべきことをやってきたのだから、今度は社会全体がお返しに航空労働者を支援するべきだ。

空の旅に大きく依存している航空産業と航空の仕事、航空コミュニティを救うということは、手早くできることではない。航空業界が長期的に持続可能であるためには、大改革が必要だ。 

しかし、まず、航空業界が回復するために必要なインフラを維持するために不可欠な高スキル労働者が失われることを阻止するため、緊急の救済策に集中する必要がある。潜在的な失業リスクは航空業界を遥かに超え、航空産業に依存する航空宇宙産業や観光産業にも及ぶ。

乗客の信頼を取り戻したいのであれば、航空産業で働く労働者が安心して働けるようにすることが極めて重要だ。そのため、ITFは空の旅へ安全に戻るための明確な条件を設定した。 

 

条件付きの財政援助

政府は、航空産業の回復を可能にするために、コロナ危機の初期段階で導入した支援策を拡大する必要がある。企業に対する財政支援も長期的な改革を条件とする必要がある。

平等なパートナーとして、全ての利害関係者を含む国のタスクフォースを設置することは良い出発点だ。  雇用と労働条件を守ることと併せ、大切な労働者がコロナ危機の犠牲者にならないよう担保することを、企業に対する財政支援策の中心的な柱に据え、優先事項としなくてはならない。また、利益より労働者が優先されるべきであり、労働者が失ったいかなる恩恵も、航空会社の経営が黒字化した際には、株主への配当や企業のCEOの報酬を引き上げる前に、優先的に回復されるべきだ。

また、航空業界には、旧型の航空機を廃棄し、より新しく、よりクリーンで、より燃費の優れた航空機フリートへと移行することを奨励する条件付きの財政支援が提供されるべきだ。航空業界の環境フットプリントを削減することは、航空業界の全ての主要な利害関係者が共有する目標となるべきであり、適切な予測を立て、計画を策定することで達成できる。

 

航空エコシステム

航空業界が回復を目指すのなら、航空エコシステムが目的に適合したものになることが不可欠だ。空港とインフラの安全性は、旅客の信頼を高める上で極めて重要になるだろう。

コロナ禍により、空港の規制緩和と民営化の落とし穴が浮き彫りになり、多くの政府が今、乗客や雇用を守り、輸送能力を維持し、重要なサプライチェーンを維持するため、空港の再国有化や類似の策を導入しようと検討している。

より環境にやさしい航空産業への移行をサポートするために必要な新しいインフラの構築には、長期にわたる多額の設備投資が必要となる。最新の知識や経験に基づく設計が行えるため、比較的新しい空港や改築される空港は、今後発生し得るパンデミックの乗客へのリスクを軽減する上で重要な要素となるだろう。こうした空港開発プロジェクトにおいて、労働者の資本が大きな役割を果たすことになろう。 

 

システムの統合

新型コロナウィルス感染症が航空業界に影響を及ぼす中、航空産業を救い、労働者と乗客の双方が安全に空の旅に戻れるよう担保したいというITFの願いを共有できる戦略的パートナーをITFは探してきた。航空産業の復活を成功させる基盤は、高度なスキルを持つ労働者がいなければ、航空業界の回復はないという強固な原則と認識の上に構築される必要がある。 

ITFは、『救済と回復、改革に基づく航空労働者のための新たな取り決めが必要』というITFのビジョンの達成への協力を約束してくれる組織と関係を構築し、協力していく。

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