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ペルーの港湾労働者、新型コロナ対策で会社と合意

ニュース 12 Jun 2020

先週、労働者5名が死亡し、35名が陽性と判明したことを受け、 ペルーのカヤオのAPMターミナルで働く港湾労働者が、新型コロナウィルスの検査と公正な手当の支払いについて会社および関係省庁と合意に達することができた。

ITFに加盟するSUTRAMPORPC労組の組合員は交渉の末、以下を勝ち取った:

  • 職場で使われている感染防止のための器具や器具のクリーニング手順の第三者による査察
  • 毎週火曜にカヤオのAPMターミナルで働く港湾労働者を対象に新型コロナウィルスの検査を行う。
  • 感染のために仕事をできない港湾労働者や、感染すると特に危険性が高いと思われる労働者に対し、毎週560ヌエボソル(163米ドル)の手当てを支払う。[1];

組合がカヤオのAPM ターミナルで働く港湾労働者の感染予防措置について懸念を表明し、会社や政府に警告を発したことが今回の妥結に結び付いた。SUTRAMPORPC労組によると、組合員は同じ個人防護具(PPE)を何日も利用するよう強要され、港湾施設内の衛生設備も不足していた。検査の実施に会社が合意したことを労働者は喜んでいるが、亡くなった5名にとって、この対策は遅きに失した。

SUTRAMPORPC労組のノルベルト・ファーファン委員長は、「仲間を失ったことは非常に悲しいことだ。感染予防対策が港内で取られておらず、組合は不安に思っていた。安全確保のためにITFが支援してくれたことに深く感謝している。合意内容を会社がきちんと実施するよう、組合は要求していく」と述べた。

検査が行われなければ、職場で感染が広がり、もっとたくさんの港湾労働者とその家族が亡くなることになるだろう。ペルーでは20万人以上が新型コロナウィルスに感染し、約600人が死亡している。

ITF港湾部会の副議長を務めるILWUのウィリー・アダムス委員長は、ぺルーの組合の運動は各国から強く支持されているとして、次のように述べた。

「港湾労働が職場で感染し、ウィルスを家に持ち帰って子供や年老いた両親、祖父母などを感染させる状況を決して許容してはならない。労働者のために感染予防策を取らない企業は責任を問われるべきだ。死亡者を一人も出すべきではない。カヤオのAPMターミナルで5人もの労働者が亡くなったことは悲劇だ。あらゆる場所で感染した労働者を隔離・治療し、これ以上死者が増えないよう、感染予防を徹底するべきだ。ペルーの仲間の勝利を讃えたい」

カヤオのAPM ターミナルでSUTRAMPORPC労組が展開してきた感染拡大と死者をなくす運動は世界中から支持されている。

ITF港湾コーディネーターのエンリコ・トルトラーノは、ITF港湾部会は港湾労働者を守るための『職場における新型コロナウィルス対策ガイドライン』 を策定したと述べた。ペルーの組合が取り付けた合意内容は極めて重要だとトルトラーノ・コーディネーターは述べる。特に命に関わるウィルス感染症が拡大している場合、労働者には安全で衛生的な職場で働く権利があることを多国籍企業が認識するべきだからだ。

「ペルーでの合意は新型コロナ危機を安全に生き抜くために、キーワーカーである港湾労働者への保護がより手厚くなることを意味する」

「安全でない仕事の遂行を拒否する労働者の権利は極めて重要な権利だ。ITFの『職場における新型コロナウィルス対策ガイドライン』はAPM以外のターミナル・オペレーターでも基本的な慣行となるべきだ。安全で安心な職場がなければ、多国籍企業も企業のサプライチェーンも停止することになるだろう」とトルトラーノ・コーディネーターは締めくくった。

ITF米州間事務所のエドガー・ディアス地域部長代行も次のように補足した。「交通運輸労働者の間に新型コロナウィルス感染症が広がることを防ぐため、今は最も厳格なセキュリティ管理を要求することが重要だ。SUTRAMPORPC労組と労働者は、このグローバル危機にあたり、必須サービスを提供している港湾労働者の安全衛生を守るため、今日勝ち取った勝利を誇りに思っていい」

 

[1] この手当は、過去1年間に週平均10シフト以上行い、ペルーの閣僚決議283-2020-MINSA号の規定により、新型コロナ危機の間、働くことができない港湾労働者に支給される。感染が拡大している間、自宅で自主隔離を行っている労働者を対象とする。

 

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